みなさん、こんにちは。ふみかんです。
この記事を読んでくださっているということは、公認会計士試験の勉強をし、どこの監査法人に入ろうか迷われているのではないかと思います。
もしくは、まだ勉強は始めていないけれどこの先どのような監査法人に入りたいか、将来を考えている方もいるかもしれませんね。
私は2023年8月に論文式試験を受け、初めて一般企業ではなく監査法人の就職活動というものを経験したため、その実体験も踏まえて監査法人選びのコツをお伝えしていきます。
イベントや面接等、実際のスケジュールを踏まえた就活の進め方については、別の記事で書きたいと思います。
目次
大手, 準大手, 中小
まずは監査法人の大まかな分類からお話します。
監査法人にはざっくりと大手、準大手、中小監査法人といった括りがあります。
大手監査法人
大手監査法人というのはいわゆるBig4と呼ばれる以下の4大法人です。
- EY新日本有限責任監査法人
- 有限責任監査法人トーマツ
- 有限責任あずさ監査法人
- PwC Japan有限責任監査法人(2023年12月1日よりあらたと京都が統合)
日本では監査法人というもの自体あまり馴染みがなく、これらの名前を聞いてもピンとこない方が多いかもしれません。
ですが会計士の中では有名で、誰もが知っていると言えるでしょう。また合格者の大部分がBig4に就職しているというのが現状です。
大手の監査法人を選ぶメリットとしては、そのブランド力、クライアント数が多く業務の幅が広い、専門性の高い経験を得られる、研修制度が整っている、などでしょうか。
次にデメリットとしては、組織規模が大きい分与えられる裁量が小さい、職階が上がるのに時間がかかる、間接業務(監査業務に直接必要なものではなく付随する業務)が多い、繁忙期が(規模の小さい監査法人よりも)忙しくてしんどい、などがよく言われています。
準大手監査法人
次に準大手監査法人ですが、以下の4法人があげられます。
(以前はPwC京都監査法人も準大手に位置していましたが、2023年12月1日よりPwCあらた有限責任監査法人と統合いたしました。)
- 太陽有限責任監査法人
- 仰星監査法人
- 東陽監査法人
- 三優監査法人
準大手監査法人は、大手監査法人には及ばずとも中小監査法人よりも規模が大きいことが特徴です。
太陽監査法人はこの中でも特に大きく、Big4に次ぐ特異のポジションに位置していると言えます。
準大手監査法人へ就職するメリットとしては、大手よりも規模が小さい分与えられる裁量が大きい、比較的若い年次から主査(チームのまとめ的な役割)を任せられる、中小よりも業務の幅が広く大手と違ってその垣根が低い、などがあります。
デメリットとしては大手よりクライアントが少ない分だけ業務の選択肢の幅が劣る、大手の監査ほど高度な専門性は身に付かない、やはり大手のネームバリューの方が強い…などでしょうか。
中小監査法人
その他に中堅監査法人や小規模監査法人があります。
こちらの日本公認会計士協会のページから「中小監査事務所 就職ガイドブック」がご覧になれます。
中小監査法人の良さは何といってもその規模感からくるアットホームな雰囲気でしょう。
監査法人のトップがすぐ近くにいる、自分の声をすぐに届けられる、自分の希望を直に聞いてくれる等、その風通しのよさは一番ではないでしょうか。
一方で、クライアント数が多くないため業務がある程度限られてしまう、合わないと思ったときに部署異動などで解決できない、研修制度等がまだ十分に整っていない場合がある、といったデメリットもあります。
なお、中小監査法人は大手監査法人を経験した方が立ち上げることが多く、ワークライフバランスを重視している傾向があるように思います。
大手、準大手、中小をざっくり紹介しましたが、人によって良いと思う部分・悪いと感じる部分は異なるため、もっと違う面に魅力を感じる方もいらっしゃると思います。
ぜひそれぞれの法人のホームページを見てみたり実際に法人説明会に参加してみることで、ご自身の印象を確かめてみてくださいね!
監査法人選びの軸
就職活動を進めるうえで「軸」を決めることが大事だとよく言われます。実際、私もとても大事だと思います。
「軸」とはつまり、何を判断基準にするかということですね。
「軸」が定まっていないと、判断にも迷ってしまいますし、選んだとしてもその理由がいまいちハッキリしないことになります。
つまり、自分が納得できる法人選びをするために「軸」が必要なのです。
法人選びの「軸」とは
前述したとおり、「軸」とは何を判断基準にするかということです。
具体的にやりたい仕事のイメージがついているのであればそれを軸にしても良いのですが、実際に働いてみないと分からない人がほとんどだと思います。
その場合はもっと抽象的な、自分が大切にしたいことを軸にしてみましょう。
例えば、下記のようなものを参考にしていただければ良いと思います。
- 職場の雰囲気が自分に合っているかどうか
- 成長できる環境かどうか
- 個性が発揮できる環境かどうか
- 一緒に働きたいと思える人がいるかどうか
- ワークライフバランスがしっかりとれるかどうか etc…
「軸」は1つに絞る必要はありません。いくつかの視点で考えるからこそ、選択肢が絞れていきます。
また、法人選びの「軸」を色んな人に聞いてみると、上記のようなものを挙げる人が多いと思います。「軸」とは人と被ってはいけないものではないですし、人が大切にしたいことは大体同じようなものだと考えると被るのも自然なことでしょう。
例えば「雰囲気が自分に合っているか」という軸で法人選びをしている2人の人がいたとしても、どの雰囲気が自分に合うかはそれぞれ違うのだから、同じ軸で判断していても選ぶ法人が異なることは当然にあります。
第一志望がコロコロ変わってしまう…?
就職活動中に『法人選びの「軸」が定まっていないと、説明会に参加するたびにそこが第一志望になってしまう』という話をよく聞きました。
ですが正直、私は、「軸」が定まっていても第一志望が変わることは全然あることだと思っています。そしてそれは全く悪い事ではありません。
なぜなら法人説明会や個別面談では、今まで知らなかった新しい情報を得ることが多いからです。自分の中で判断基準が決まっていたとしても、その対象の情報が増えれば志望度に変化があるのも当然です。
私はまさに、イベントに参加するたびに迷っていた人間です。最初はそれを「自分は軸がブレブレで情けない…」と思っていましたが、何度も面談を重ねているうちに自分のやりたいことは最初から変わっていないということに気づきました。そして、真剣に迷ったからこそ最終的に納得のいく選択ができたと思っています。
実際、複数法人から内定が出るまで第一志望を絞れていない人も普通にいますし、すぐに第一志望が固まらないからと言って焦る必要は全くないでしょう。
情報収集のコツ
法人のイベントに参加するとリクルーターの方に色々なことを教えていただけます。
その情報をより自分にとって有益なものにするコツは、自分の法人選びの「軸」を言ってしまうことです。
こちらから自分についての情報を提供しないと、リクルーターの方が教えてくれる情報は誰にでも当てはまる一般的なものになりがちです。
しかし、こちらがこういう部分を重視していると伝えることでその視点に立って情報を伝えてくれたりと、とても自分にフィットした内容となり、就職活動に役立ちます。
伝えるときも「自分は法人の雰囲気を重視している」といったフワッとしたものよりも「自分はアットホームな職場環境を希望しており、一緒にランチに行ったり部活動に参加したり業務外の交流が盛んなところに魅力的を感じる」など具体的に話すと、得られる情報もより具体的になると思います。
ちなみに私の場合は、就職活動において悩んでいる点等をなかなか話せずにいましたが(なんだか弱みを見せるようで嫌だった笑)、そこを正直に話してからリクルーターの方が同じ目線に立って話してくれるようになり一気に就職活動が進みました。
偏った情報のみで判断しないように注意!
私が自分の悩みをなかなか話せなかったのは、弱みを見せるとそこにつけこまれて「うちは○○だからそんな心配はいらないよ!だからもう懸念点はないよね!うちにおいで!」とぐいぐい来られるのを恐れていたからです…笑
ですが、前述したとおり自分のことを話さない限り、得られる情報は「一般的なもの」になりがちです。
前半に大手・準大手・中小の特徴をざっくりと書きましたが、これがいわゆる「一般的なもの」です。
たとえば大手監査法人ではより多くの選択肢があるとしても、自分がそこに入ったらどんな選択肢を選ぶことができるか?というのは一般的な説明だけでは分かりません。
また中小監査法人では一人ひとりの希望に合わせた柔軟な対応ができるとしても、自分がそこに入ったらどのように柔軟なキャリアを積むことができるのか?というのも一般的な説明だけでは分かりません。
リクルーターの方に自分の話をせず、一般的な説明からこのようなことを考えるのはあくまで自分勝手な推測の域にとどまります。そしてそれは少なからず「大手はこう」「準大手はこう」「中小はこう」といったバイアスがかかっていることでしょう。
また中小監査法人に勤めたことのない大手監査法人のリクルーターの方が言う「中小はこう」もあくまで一般論からの推測に過ぎず、大手監査法人に勤めたことのない中小監査法人のリクルーターの方が言う「大手はこう」も一般論からの推測に過ぎません。(もちろん業界を知っているため就活生の推測よりも確かな情報ではあるはずです)
色々な法人から情報を入手すると迷ってしまうというのはとてもよく分かるのですが(体験済みです)、最初から絞った情報源からのみ情報を得るというのは偏った情報になってしまう恐れがあります。
そのため、できるだけ多くの人からお話を聞き「他の人からこういう風にきいたのですが実際どうでしょうか」などと擦り合わせてみると面白いと思います。
法人選びに十分な情報を得たうえで、納得のいく選択ができるようにしたいですね!
最後に
公認会計士業界は狭いと言われています。
今回の就職活動で選ばなかった法人に、今後転職する可能性も十分あります。また、担当してくださったリクルーターの方と一緒に仕事をする機会も訪れるかもしれません。
就職活動で関わってくださった方々への感謝を忘れずに、礼儀正しく真摯に対応することでお互い気持ちよく接することができると良いですね。
皆様の就職活動が実りあるものになるよう応援しております!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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